バイエルってどんな教本?
ピアノを習った経験のある方なら、まずやったことがあるというのが『バイエル』だと思います。
赤バイエル、黄バイエルという呼び名もあるので、耳にされたこともあるのではないでしょうか?
この『バイエル』ですが、
ドイツの作曲家、ピアノストであったフェルディナント・バイエル(Ferdinand Beyer, 1806年7月25日 – 1863年5月14日)の著書のことなのです。
彼が1850年頃に書いた『ピアノ奏法入門書』(Vorschule im Klavierspiel op. 101)が、入門書であるバイエルピアノ教本として日本で長く親しまれているんです。
バイエルを使うメリット
両手がどちらもト音記号
バイエルは、小さな子供でも無理なく弾けるように。と考えて作られているので、
ピアノを始めたばかりは何をすればいいのかわからなくて不安だと思います。
この時、両手で同じことを弾く、というのは安心する材料ですね。
混乱することなく弾いていくことができます。
5指ポジションで弾ける
初歩のピアノ教育には「5指ポジション」という考え方があります。これは、5本の指を、連続する5つの鍵盤の上に置き、手の位置を固定したまま弾く練習です。
先生の伴奏と弾ける曲ばかりで弾きやすい
「子どものバイエル」の上巻は教師が伴奏を弾くパターンが多いです。
一人で弾く場合も右手が旋律・左手が伴奏となっているので弾きやすいです。
ピアノを始めたばかりは曲が弾けたという実感を感じることも大切です
クラシック曲の基礎が学べる
日本では長い間、ピアノといえば「バイエル」から始まり、「ブルグミュラー25の練習曲」、そして「ソナチネアルバム」という順で学習するのが標準的なコースとされてきました。
ソナチネやソナタといった古典派の曲になると、音階やアルペジオといったテクニックも必要になってきます。
バイエルではそういった時の手の使い方や指使いなどを勉強することができるんです。
基礎的なことは退屈かもしれませんが、何度も繰り返す必要があるんですよね。
バイエルを使うデメリット
シャープやフラットが少ない
バイエルは同じような調性の曲が多いです。
長調はシャープ・フラットを使う曲がありますが、短調は基本ともいえるイ短調だけです。
今はいろいろな調性の曲を耳にすることができるので、このあたりで退屈だと感じてしまう場合も多いようです。
なによりも、黒鍵から始まる調性を扱っていないので、黒鍵が苦手となる場合も多いです。
ヘ音記号が出てきたときに悩む
ヘ音記号はピアノの低音部を弾く上で欠かすことのできない記号です。
でも、ト音記号に慣れてしまうと、ヘ音記号の読み方を覚えるのがちょっと大変です。
ト音記号に慣れてしまったのに、ヘ音記号を読むとなるとホントに大変です。
一気に難易度が上がってしまうのがこのあたりで、ピアノのレッスンを辞めてしまう人が多いようにも思います。
バイエルで挫折する理由
・知らない曲ばかりで、テンションが上がらない
・ト音記号は読めるけど、ヘ音記号苦手になる。
・黒い鍵盤がなかなか出てこないから黒鍵苦手になる。
・前半、少しずつの上達を何とか耐えた後、後半一気に難しくなりついていけない。
・とにかく1冊終わるまでが、長い。途中で飽きて辞めてしまう。